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38億年と心地よさ


人が言う「心地よさ」とは何か。

とても曖昧な言葉で、

今まで私の中に答えはなかったように思いますが

その答えが見つかりそうなヒントがありました。



最近、心理学の話を大学の教授から聞きました。

内容は「家と幸福感」についてだったのですが、

その話の中で妙に心に残った言葉が

「今の人類は生物が誕生したと言われる38億年前から

人類に進化するまでのどの種も

絶滅することなく生き延びた種の末裔です。」

というもの。



つまり人類は地球上の

38億年間で

他の絶滅してきたどの種よりも

生存しやすい種だという。


ここからは推測です。


ということは人が選択することは

生存に有利なことが多いはず。


つまり生存しやすいことを

人は好むはず。


では、

人が好ましいと思うことは"心地よい"、"気持ち良い"ことに近い

と仮定すると


生存に有利なこと≒心地よいこと


と繋がってきても良いのでは。

この言葉は奥が深く、

まだまだ実感としてイコールでは

言い切れませんが。



心地よいと感じることは

人それぞれだとは思いますが、

簡単に書き上げてみます。

例えば




・海や湖など水を見ること

→渇きを潤す

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・森や林、木や緑を見ること

→近くに水気がある

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・日光をあびる

→ビタミンD、細菌の死滅

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・洞窟のような空間

→外敵に襲われにくい

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・炎を見ること

→野生の獣が寄り付かない

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もしかすると本当に

生存に有利なことと

心地よいことは

繋がっているようにも見えます。



こじつけのようにも見えなくもありませんので

今後、自分の感覚に耳をすまして

確かめていきたいと思います。

そして私たちが作る家に

心地よさをもたらしたいです。




by vegablog | 2018-05-05 21:46 | [谷blog]  | Comments(0)

物と輪郭



「輪郭線」




その物の輪郭を表す線。

ミッ〇ィーちゃんは線によって形が表現されています。

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当たり前のように黒い線で描かれる「輪郭」



でもふと立ち止まって考えてみたときに

実際の物の輪郭は黒くない。

(ミッ〇ィー批判ではないので悪しからず。。)



目を凝らして見てみると

物の端っこは陰がついていたり、

光が当たって明るかったり

その部分の明暗があるだけです。

そしてその周りには空間が広がっている。

つまり、現実世界の3次元で物を見るとき、

輪郭には実際は「線」はありません。



物の立体が

奥や裏に回り込んでいるものを

一旦は線として描く。

絵を描くときに

鉛筆やボールペンやマジックで描く

あの「線」は

立体の回り込んだ部分を表すための

架空の概念の線

もしくは

物事の抽象化の表現ということになります。



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輪郭線は物の形を捉えることはできても

その物自体を表すことはできない。



ヘルマン・ヘッセが著書「シッダールタ」に書いていた

「この世に実物以上の実物はない!」

という言葉にも通ずるところかもしれません。



家づくりの計画中は

空間も抽象化された線の構成ではなく、

実物の立体が組み合わさってできている

ということを考えたい。



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↑輪郭線で描いているのでこれは空間の単純化



建築の勉強は
図面を眺めるだけではなく
写真を眺めるだけでもなく
空間(実物)を実際に見て、
感じなければならないと感じます。


by vegablog | 2018-04-28 19:12 | [谷blog]  | Comments(0)

関係性について


日本人は関係性の中で物を見ます。


と言い切っていいものかはわかりませんが、


日本的な視点は物と物の「関係」を捉えます。


西洋的な視点は「物」そのものを見ることが多いと言われています。たぶん。笑


西洋的な美は「対象物」が重要。


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日本的な美は「関係性」が重要。


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日本では物と物の間の部分が美を表す。


西洋では物そのものが美を表す。


日本の美では「茶」があります。


床や道具、釜や花やお菓子など、そのものはもちろん


それらの


組み合わせ = 関係性


で亭主がその茶会を表現します。


関係そのものは目には見えません。


それは見えない「ルール」であるかもしれませんし


見えない「物語」が隠れているかもしれません。


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私たちは物と物の「関係性」を見つけ出したい。


人と物の間にある「関係性」見つけ出したいと思います。




by vegablog | 2018-04-22 07:23 | [谷blog]  | Comments(2)

家と明かり

「夜、家に暖かな明かりが灯されているのを見るのが一番の幸せ」
と言ったのは建築家の吉村順三さんです。


作り手として
住まいで幸せに家族が暮らしているのを
確認できたときのことだと思います。


夜にカレーの匂いがする我が家へ帰ること
人の暮らしが家に何かの形で現れて
その場所に帰る。
作り手だけでなく
きっと住まい手によっては同じように
幸せを感じるのではないでしょうか。


あるお施主様は
「暖かい光が漏れている家へ帰りたい」
とご要望されました。


昼間は通りからの目隠しとして役に立つ格子が
夜には家自体を明かりにするという役割を果たしてくれます。


家づくりをご検討中の方は
暮らしの中でどんな時に
幸せを感じるのか教えていただけると幸いです。


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by vegablog | 2018-04-15 06:27 | [谷blog]  | Comments(0)

家と出入り

こういう視点で見てみると
家の二面性が見えてきます。


「出るとき」
「入るとき」


家の中に入るときや
部屋の中に入るとき
どのような景色が
見えるのか

出るときに
どのような壁が見えて
窓が見えるのか


原始の時代
人は
初めて訪れた
森や洞窟に入るときは
きっと色々と警戒して
中へ入って行ったと思います。

中へ入って行くときの方が
敵との遭遇があるので
緊張が強まるのでは
ないでしょうか。

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家の場合
住まい手は
日々出たり入ったりします。

出入りの瞬間に
目の前に現れてくるものは
心安らぐものや
きれいなもの
楽しいもの
であって欲しいと
勝手ながら思います。

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ちょっとしたことが
その家に住む間は
何回も何回も
続きます。
住まい手の無意識の間に
「こと」が起こり続けます。

出入りのたびに
ほんのちょっとした
嬉しいことが
無意識に起こる家。

そんなことを
私たちは意識していきたい
と思います。

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by vegablog | 2018-04-08 06:43 | [谷blog]  | Comments(0)

家と読書

本を読むことは
その場にいながら
遠くへ旅をすること
ではないかと思います。


「日々にきちんと祝杯をあげよう」
と誰かが言っていました。

読書は
日々を
家の中の
その場で
特別なものに変える
一つの方法ではないかな
と思います。


自分で経験し得ないこと
共感できることや
描写された様々な場面
と遭遇できます。


ただし
まとまった文章を読み切るには
人それぞれ時間が必要です。


パラパラ拾い読みをするのも
もちろん楽しいですが
このブログは
家に関することを
テーマにしているので
家具に絡めた
ある一つの読書術を。

それは
「背表紙流し読み法」
です。
勝手に今日から提唱させていただきます。笑


棚に並んでいる
本たちの背表紙を
ただお酒を飲みながら
順番に眺めていく
というものです。


一度読んだ本は
背表紙から
中のストーリーが
よみがえってきます。

印象に残る断片
ある出来事の流れ
主人公のセリフ
主人公の妹の表情
名作家具の脚の形のディテール
丘の風景の絵画
おいしそうな食卓の風景

あげればきりがないですが
背表紙から
(背表紙のタイトルはもちろん
その厚みや素材やフォントなど)
色々なことが
ぱっぱと
頭に浮かんできます。


これは大変楽しいです。
本棚があると
もう一度読まずとも
旅はできます。

さらに言えば
一度も読んだことのない
いつか読みたい本が
ぽつぽつと
混ざって並んでいたとしても
想像するだけで
充分楽しいです。


本棚はある意味
「窓」
かもしれません。


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↑こちらはあるお施主さんの本棚のある居間




by vegablog | 2018-03-31 22:09 | [谷blog]  | Comments(0)

家とソファ

先日、ソファワークショップを

ベガハウス事務所にて行いました。


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毎年クリスマス感謝祭を

行っているのですが、


ソファクッション+ソファ台製作券


というセットを

昨年の感謝祭のオークションにてご購入いただいた

2家族のソファのご紹介です。

どうも昨年のオークション担当の谷です。



実際に家におうかがいして

どんなソファが良いか

その場で案出し+スケッチします。



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大枠のカタチの構成が決まったら、

事務所の工場の工場長、

大木に図面とスケッチを渡します。


「家具が好き。」と大木工場長。





ワークショップとしては

紙やすりの細かい目のもので

つやつやに磨いて、

オイルフィニッシュです。


完成品はこちら。



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良いですね、工場長!




ちなみに
背の低い方のソファは
畳の上で使えるように
滑らせることのできる脚と
すでに家にある造作ソファで
オットマンとして
使い易いように肘掛なし。


背の高い方のソファは
フローリングの
リビングダイニングで
ゆったり座れるように
肘掛けを設置
クッションのファスナーが
見えないような構造の
カタチですっきりと。



実際に2家族の暮らしを見て
提案させていただいた
この2つのソファが

今の暮らしに

馴染んでくれることを

願っております。


いや、きっと馴染むはず。笑

by vegablog | 2018-03-25 06:49 | [谷blog]  | Comments(0)

家と手触り



今のお住まいの中で
居心地のいい場所や、
いつもそこにいる
という場所がありますか。


私はたいてい
椅子に座っています。
その椅子は
触り心地が良い。
座り心地もですが、
いい椅子は
触り心地も勿論いい。
長い時間座っている場所だから
色んなところに触れます。


ひじ掛け、脚、背もたれ、座面
触り心地は
椅子の色々なところに
隠れています。
触り心地と形は
関係しあっています。


木の椅子がイメージしやすい
かもしれません。


柔らかい形(柔らかく見える形)は
角が少ない、もしくはアール型。
→手の当たりは優しい

硬い形(硬く見える形)は
角が多め、極端に言えば直角(ピン角)
→触り方によっては痛い


さらには、
角がとがっているとシャープな印象に
角が丸いと優しい表情に。

では手触り良く
シャープにする方法は?


と言うと、
2R(半径2mm)なのか
3R(半径3mm)なのか
というところで
形を考えていきます。

2Rよりも3Rの方が
なんとなく
手の当たりが優しいです。

3Rよりも2Rの方が
なんとなくシャープです。

さあどっちをとるか。
正解はありません。


強いて正解があるとすれば、
使い勝手や
住まい手の雰囲気、
家全体の印象
などでしょうか。
素材と素材のとりあいも
関係してくるかもしれません。



椅子ではありませんが、
ベガハウスのカウンターは
3Rが標準です。

どんな手触りでしょうか。
ぜひ見に来てください。

私がR定規片手にご案内いたします。
「ここは○○R」「ここは○○R」と。

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皆さんもR博士になってみませんか?
by vegablog | 2018-03-17 22:10 | [谷blog]  | Comments(0)

家と線

中学の時でしょうか。

数学の授業で疑問に思ったことがあります。

「点と点を結んだ幅を持たない線を線分と言います。」

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と先生はこんな説明をしながら黒板に図を描きました。




うーむ。




この線は幅を持っていますよね。

というよりも

私たちが普段描いている「線」というものは「面」ではないのか。

すぐに中学生(だったはず)の私は想像しました。

線分の端っこの部分を。

先生の図の端っこを拡大するとこう。

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なるほど。

やはり長い「面」を描いています。

さらに言えば「点」も面です。

じゃあ生徒に説明するために

先生はそんな風に言っているんだ、と一人うなずきました。




そう、僕たちが絵に描いている線は実際には面です。

幅を持った細い細い「面」

0.35のシャープペンシルの芯

を使ったとしても。

拡大図はこう。

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0.35の幅を持った「面」です!
すごい!



この小さな時の記憶が

家と関係あるのかというと、

私はあると思っています。



家をすっきりと設計するために

考えるべきこと。

見えない線を揃えることが

空間をすっきりとさせるためには

大事です。



つまり点と点を通る

見えない直線を揃えていくこと。

すっきりした家は

あらゆる見えない直線が

重なっています。

ちゃんと考えていくと、

見えない直線は

たくさんの2点を結んでくれます。

見えない直線が

何本も何方向も

重なっていくと

はっとするほど壁がすっきりきれいになります。



ほんとにそうか、

ベガハウスの建物に来て、

よくよく家を眺めてみてください。

目を細めると

見えない線が

たくさん見えてきますよ。


僕は目が細いので、

細める必要はないですが。笑



by vegablog | 2018-03-11 07:01 | [谷blog]  | Comments(2)

家と陰影

「昼の光に夜の闇の深さが分かるものか」

と言ったのはニーチェです。

ニーチェは詳しくないですが、

意味も良くわからないですが、

この言葉はすとんと腑に落ちて

今でもたまに思い出します。



谷崎潤一郎は著書の「陰翳礼讃」の中で当時で言う現代の日本の明るさだけを見るのではなく、

昔はあった闇の中にある美学を見直すことを主張しました。



私たちの暮らしは安定的な電気の供給によってとても便利になりました。

夜でも明るく、

細かな作業もできるような時代です。

夜の闇は排除され、

街からはネオンの光が空を照らし、

それが人の営みを感じさせる。

それを文明や文化と呼ぶ時代。

昼間は明るいのが当たり前で、

暗さなんてあるわけはない。

そんなことさえも思ってしまいそうな環境の中、

何故そうなのかと家づくりに携わる私たちは、

一歩踏み止まって考えたい。



光と闇はいつの間にか切り離されてしまっているのではないでしょうか。

照明のスイッチのonとoffのように。



でもそうではなくて、

本当は光と陰はグラデーションの関係です。

「光」と「闇」と別個のものではなく、

「明るさ」「暗さ」の度合いがそこにはあります。



昔の日本の家は軒が深く、

陰が家の中にありました。

陰もある家では、

光(明るさ)の変化を感じられる。

本当の文化とはなんでしょう。



フェルメールの絵には光と陰が両方描かれていますよね。

明るいだけでは暗さは味わい難い。




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by vegablog | 2018-03-03 20:23 | [谷blog]  | Comments(0)


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