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椅子の高さワークショップ

この表は何を表していると思いますか。
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先日、九州産業大学の学生さんと
椅子の高さに関するワークショップを行いました。

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最初の表は
椅子の高さと
テーブルで行う動作との関係を、
ひとりひとりの学生のベストな寸法で
記録したものです。

同じ動作をするとしても、
使いやすい高さの寸法は人それぞれ違ってきます。

この寸法のばらつきを、
ひとりひとり動作の寸法が違うということを、
一軒の家にも反映して設計をしたいと感じるワークショップでした。
by vegablog | 2018-08-19 07:03 | [谷blog]  | Comments(0)

家と連続性

「思考の整理学」(外山滋比古著)という本に文章の連続性についての記述がありました。



あるとき、妙なことが気になり始めた。
ことばは静止しているのに、文章を読むと、意味に流れが生じる。切れ目のあることばとことばが結び合わされているのに、ひとつらなりのものとして理解される。なぜだろうか、という疑問である。



この文章には、
一つ一つのことばは要素として分割、分節して理解できるものの、文章という全体の流れの中では一つ一つの意味というよりも、連続した流れやかたまりとして認識される。この不思議は、家や建築、空間構成にも起こりうると思います。
一つ一つの壁や窓、家具、床、天井など別々の部位として認識はできますが、その空間の中に立ったときに感じられることは、空間全体だと思います。
だからこそ私たちは一つ一つの要素の選定はもちろん、全体の流れも頭に思い浮かべて組み合わせていきたいと思います。


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by vegablog | 2018-08-12 07:31 | [谷blog]  | Comments(0)

スカイフライヤー 1960年代の照明

芹沢銈介(1895-1984)さんは柳宗悦さんと民藝運動を支えた染色家です。
その図案などの発想やデザインは和風のようにも見えますが、
どこか新しい感じがします。
その新しさは、
新しさというより古びれない簡潔さのような気もします。

芹沢さんは1895生まれです。
世界各国のものを蒐集することを本格的に始めたのが1956年。
その年61才。
世界中を歩き回り、
その土地、その土地で出会った民藝や、
手仕事の道具などを集めていったそうです。


私も以前、芹沢さんの家(静岡県)にお邪魔したことがあります。
この家は芹沢銈介美術館の近くに建っており、
見学することもできます。
芹沢さんにお会いしたことはありませんが、
美術館よりも、こっちの家の方が芹沢さんらしいんだろうな、
と思ったことを覚えています。


こちらはその家のパンフレットのなかにある写真です。
色んな民藝がいい塩梅で配置されています。
どの品物も、どこか手仕事の雰囲気が匂います。
そんな中、むむ、モダンデザイン!というものが見えますね。

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静岡市立芹沢銈介美術館「芹沢銈介の家 パンフレット」より




そう。ユキ・ヌンミの「スカイフライヤー」(ペンダント照明)
Yki Nummi(1925 - 1984)
ヘルシンキのデザイナーで、アクリルを素材にした照明デザインが有名な方です。
このスカイフライヤーもアクリルを素材として使っている為、軽いデザインです。
光源が目に映らないように、
薄いお椀型の底を抜いた様な形を反転させて二つ組み合わせた形が特長です。


芹沢さんは柳宗悦さんの論文「工芸の道」に心を打たれて、生涯、交流を続けたそうです。
柳さんの著書「美の法門」で書かれていた、成仏の美。
新しさ、古さ、美しい、醜いなどで分類できるものではなく、
世界各国の職人たちが無欲で作り出す無数の日用品たちに宿る美。
この部屋にある蒐集品たちも姿形は古びれない、今見ても新鮮な物たちだと思います。
芹沢さんはそんな民藝品を己の目を頼りに蒐集していたと思います。


芹沢さんとユキさんも同時代に生きていました。
交流があったかはわかりませんが、デザインの理念や、
製作物の形を見ただけでもきっと心は通じていたと思います。





こちらはベガハウスのわおんの家。
現代の住宅の中にあっても不思議ではないスカイフライヤー。

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芹沢さんやユキさんにも通ずる家づくりをしていきたい。
と、勝手ながらに思っております。 谷

by vegablog | 2018-08-04 22:07 | [谷blog]  | Comments(0)

38億年と心地よさ


人が言う「心地よさ」とは何か。

とても曖昧な言葉で、

今まで私の中に答えはなかったように思いますが

その答えが見つかりそうなヒントがありました。



最近、心理学の話を大学の教授から聞きました。

内容は「家と幸福感」についてだったのですが、

その話の中で妙に心に残った言葉が

「今の人類は生物が誕生したと言われる38億年前から

人類に進化するまでのどの種も

絶滅することなく生き延びた種の末裔です。」

というもの。



つまり人類は地球上の

38億年間で

他の絶滅してきたどの種よりも

生存しやすい種だという。


ここからは推測です。


ということは人が選択することは

生存に有利なことが多いはず。


つまり生存しやすいことを

人は好むはず。


では、

人が好ましいと思うことは"心地よい"、"気持ち良い"ことに近い

と仮定すると


生存に有利なこと≒心地よいこと


と繋がってきても良いのでは。

この言葉は奥が深く、

まだまだ実感としてイコールでは

言い切れませんが。



心地よいと感じることは

人それぞれだとは思いますが、

簡単に書き上げてみます。

例えば




・海や湖など水を見ること

→渇きを潤す

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・森や林、木や緑を見ること

→近くに水気がある

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・日光をあびる

→ビタミンD、細菌の死滅

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・洞窟のような空間

→外敵に襲われにくい

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・炎を見ること

→野生の獣が寄り付かない

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もしかすると本当に

生存に有利なことと

心地よいことは

繋がっているようにも見えます。



こじつけのようにも見えなくもありませんので

今後、自分の感覚に耳をすまして

確かめていきたいと思います。

そして私たちが作る家に

心地よさをもたらしたいです。




by vegablog | 2018-05-05 21:46 | [谷blog]  | Comments(0)

物と輪郭



「輪郭線」




その物の輪郭を表す線。

ミッ〇ィーちゃんは線によって形が表現されています。

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当たり前のように黒い線で描かれる「輪郭」



でもふと立ち止まって考えてみたときに

実際の物の輪郭は黒くない。

(ミッ〇ィー批判ではないので悪しからず。。)



目を凝らして見てみると

物の端っこは陰がついていたり、

光が当たって明るかったり

その部分の明暗があるだけです。

そしてその周りには空間が広がっている。

つまり、現実世界の3次元で物を見るとき、

輪郭には実際は「線」はありません。



物の立体が

奥や裏に回り込んでいるものを

一旦は線として描く。

絵を描くときに

鉛筆やボールペンやマジックで描く

あの「線」は

立体の回り込んだ部分を表すための

架空の概念の線

もしくは

物事の抽象化の表現ということになります。



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輪郭線は物の形を捉えることはできても

その物自体を表すことはできない。



ヘルマン・ヘッセが著書「シッダールタ」に書いていた

「この世に実物以上の実物はない!」

という言葉にも通ずるところかもしれません。



家づくりの計画中は

空間も抽象化された線の構成ではなく、

実物の立体が組み合わさってできている

ということを考えたい。



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↑輪郭線で描いているのでこれは空間の単純化



建築の勉強は
図面を眺めるだけではなく
写真を眺めるだけでもなく
空間(実物)を実際に見て、
感じなければならないと感じます。


by vegablog | 2018-04-28 19:12 | [谷blog]  | Comments(0)

関係性について


日本人は関係性の中で物を見ます。


と言い切っていいものかはわかりませんが、


日本的な視点は物と物の「関係」を捉えます。


西洋的な視点は「物」そのものを見ることが多いと言われています。たぶん。笑


西洋的な美は「対象物」が重要。


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日本的な美は「関係性」が重要。


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日本では物と物の間の部分が美を表す。


西洋では物そのものが美を表す。


日本の美では「茶」があります。


床や道具、釜や花やお菓子など、そのものはもちろん


それらの


組み合わせ = 関係性


で亭主がその茶会を表現します。


関係そのものは目には見えません。


それは見えない「ルール」であるかもしれませんし


見えない「物語」が隠れているかもしれません。


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私たちは物と物の「関係性」を見つけ出したい。


人と物の間にある「関係性」見つけ出したいと思います。




by vegablog | 2018-04-22 07:23 | [谷blog]  | Comments(2)

家と明かり

「夜、家に暖かな明かりが灯されているのを見るのが一番の幸せ」
と言ったのは建築家の吉村順三さんです。


作り手として
住まいで幸せに家族が暮らしているのを
確認できたときのことだと思います。


夜にカレーの匂いがする我が家へ帰ること
人の暮らしが家に何かの形で現れて
その場所に帰る。
作り手だけでなく
きっと住まい手によっては同じように
幸せを感じるのではないでしょうか。


あるお施主様は
「暖かい光が漏れている家へ帰りたい」
とご要望されました。


昼間は通りからの目隠しとして役に立つ格子が
夜には家自体を明かりにするという役割を果たしてくれます。


家づくりをご検討中の方は
暮らしの中でどんな時に
幸せを感じるのか教えていただけると幸いです。


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by vegablog | 2018-04-15 06:27 | [谷blog]  | Comments(0)

家と出入り

こういう視点で見てみると
家の二面性が見えてきます。


「出るとき」
「入るとき」


家の中に入るときや
部屋の中に入るとき
どのような景色が
見えるのか

出るときに
どのような壁が見えて
窓が見えるのか


原始の時代
人は
初めて訪れた
森や洞窟に入るときは
きっと色々と警戒して
中へ入って行ったと思います。

中へ入って行くときの方が
敵との遭遇があるので
緊張が強まるのでは
ないでしょうか。

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家の場合
住まい手は
日々出たり入ったりします。

出入りの瞬間に
目の前に現れてくるものは
心安らぐものや
きれいなもの
楽しいもの
であって欲しいと
勝手ながら思います。

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ちょっとしたことが
その家に住む間は
何回も何回も
続きます。
住まい手の無意識の間に
「こと」が起こり続けます。

出入りのたびに
ほんのちょっとした
嬉しいことが
無意識に起こる家。

そんなことを
私たちは意識していきたい
と思います。

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by vegablog | 2018-04-08 06:43 | [谷blog]  | Comments(0)

家と読書

本を読むことは
その場にいながら
遠くへ旅をすること
ではないかと思います。


「日々にきちんと祝杯をあげよう」
と誰かが言っていました。

読書は
日々を
家の中の
その場で
特別なものに変える
一つの方法ではないかな
と思います。


自分で経験し得ないこと
共感できることや
描写された様々な場面
と遭遇できます。


ただし
まとまった文章を読み切るには
人それぞれ時間が必要です。


パラパラ拾い読みをするのも
もちろん楽しいですが
このブログは
家に関することを
テーマにしているので
家具に絡めた
ある一つの読書術を。

それは
「背表紙流し読み法」
です。
勝手に今日から提唱させていただきます。笑


棚に並んでいる
本たちの背表紙を
ただお酒を飲みながら
順番に眺めていく
というものです。


一度読んだ本は
背表紙から
中のストーリーが
よみがえってきます。

印象に残る断片
ある出来事の流れ
主人公のセリフ
主人公の妹の表情
名作家具の脚の形のディテール
丘の風景の絵画
おいしそうな食卓の風景

あげればきりがないですが
背表紙から
(背表紙のタイトルはもちろん
その厚みや素材やフォントなど)
色々なことが
ぱっぱと
頭に浮かんできます。


これは大変楽しいです。
本棚があると
もう一度読まずとも
旅はできます。

さらに言えば
一度も読んだことのない
いつか読みたい本が
ぽつぽつと
混ざって並んでいたとしても
想像するだけで
充分楽しいです。


本棚はある意味
「窓」
かもしれません。


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↑こちらはあるお施主さんの本棚のある居間




by vegablog | 2018-03-31 22:09 | [谷blog]  | Comments(0)

家とソファ

先日、ソファワークショップを

ベガハウス事務所にて行いました。


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毎年クリスマス感謝祭を

行っているのですが、


ソファクッション+ソファ台製作券


というセットを

昨年の感謝祭のオークションにてご購入いただいた

2家族のソファのご紹介です。

どうも昨年のオークション担当の谷です。



実際に家におうかがいして

どんなソファが良いか

その場で案出し+スケッチします。



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大枠のカタチの構成が決まったら、

事務所の工場の工場長、

大木に図面とスケッチを渡します。


「家具が好き。」と大木工場長。





ワークショップとしては

紙やすりの細かい目のもので

つやつやに磨いて、

オイルフィニッシュです。


完成品はこちら。



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良いですね、工場長!




ちなみに
背の低い方のソファは
畳の上で使えるように
滑らせることのできる脚と
すでに家にある造作ソファで
オットマンとして
使い易いように肘掛なし。


背の高い方のソファは
フローリングの
リビングダイニングで
ゆったり座れるように
肘掛けを設置
クッションのファスナーが
見えないような構造の
カタチですっきりと。



実際に2家族の暮らしを見て
提案させていただいた
この2つのソファが

今の暮らしに

馴染んでくれることを

願っております。


いや、きっと馴染むはず。笑

by vegablog | 2018-03-25 06:49 | [谷blog]  | Comments(0)


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