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スカイフライヤー 1960年代の照明

芹沢銈介(1895-1984)さんは柳宗悦さんと民藝運動を支えた染色家です。
その図案などの発想やデザインは和風のようにも見えますが、
どこか新しい感じがします。
その新しさは、
新しさというより古びれない簡潔さのような気もします。

芹沢さんは1895生まれです。
世界各国のものを蒐集することを本格的に始めたのが1956年。
その年61才。
世界中を歩き回り、
その土地、その土地で出会った民藝や、
手仕事の道具などを集めていったそうです。


私も以前、芹沢さんの家(静岡県)にお邪魔したことがあります。
この家は芹沢銈介美術館の近くに建っており、
見学することもできます。
芹沢さんにお会いしたことはありませんが、
美術館よりも、こっちの家の方が芹沢さんらしいんだろうな、
と思ったことを覚えています。


こちらはその家のパンフレットのなかにある写真です。
色んな民藝がいい塩梅で配置されています。
どの品物も、どこか手仕事の雰囲気が匂います。
そんな中、むむ、モダンデザイン!というものが見えますね。

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静岡市立芹沢銈介美術館「芹沢銈介の家 パンフレット」より




そう。ユキ・ヌンミの「スカイフライヤー」(ペンダント照明)
Yki Nummi(1925 - 1984)
ヘルシンキのデザイナーで、アクリルを素材にした照明デザインが有名な方です。
このスカイフライヤーもアクリルを素材として使っている為、軽いデザインです。
光源が目に映らないように、
薄いお椀型の底を抜いた様な形を反転させて二つ組み合わせた形が特長です。


芹沢さんは柳宗悦さんの論文「工芸の道」に心を打たれて、生涯、交流を続けたそうです。
柳さんの著書「美の法門」で書かれていた、成仏の美。
新しさ、古さ、美しい、醜いなどで分類できるものではなく、
世界各国の職人たちが無欲で作り出す無数の日用品たちに宿る美。
この部屋にある蒐集品たちも姿形は古びれない、今見ても新鮮な物たちだと思います。
芹沢さんはそんな民藝品を己の目を頼りに蒐集していたと思います。


芹沢さんとユキさんも同時代に生きていました。
交流があったかはわかりませんが、デザインの理念や、
製作物の形を見ただけでもきっと心は通じていたと思います。





こちらはベガハウスのわおんの家。
現代の住宅の中にあっても不思議ではないスカイフライヤー。

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芹沢さんやユキさんにも通ずる家づくりをしていきたい。
と、勝手ながらに思っております。 谷

by vegablog | 2018-08-04 22:07 | [谷blog]  | Comments(0)